FXトレードにおいて「フラクタル構造」という用語に出会ったことはありますか?
実は、この”フラクタル構造”は、”フィボナッチ数列”などと同じく自然界に広く存在する、いわば根本的な理論の一つです。
この理論を理解することで、相場分析の深さが増し、トレードの精度を大きく向上させることが可能になります。
この記事では「フラクタル構造とは何なのか?」から、メリットやデメリット、どのようにトレード戦略に組み込むことができるかなどを丁寧に解説していきます。
トレードにおいて役立つ情報が満載ですので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
FXのフラクタル構造とは
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FXの世界において、フラクタル構造は非常に重要な概念です。
ここでは、まずフラクタル構造が具体的に何を指すのか、そしてなぜFXトレードにおいてこれを理解することが重要なのかについて基礎から解説します。
チャートには複数の時間足がある
FXのチャート分析をする際、トレーダーたちはさまざまな時間足を利用して、相場の動向を多角的に分析します。
こうすることにより、チャートを違った角度から捉え、より大きな視点で相場を理解することができます。
例えば、短期的な価格変動を追いたいときは1分足や5分足のような短い足が適しています。
一方で、もう少し広い範囲で中期的な流れをチェックしたいときは15分足や1時間足が用いられます。
さらに、長期的なトレンドを分析したいときは4時間足や日足といった長い時間足を選択します。
このようにして、異なる時間軸でチャートを分析する手法を”マルチタイムフレーム分析”と言い、チャート分析において極めて重要な技術とされています。
フラクタル構造はこのマルチタイムフレーム分析を行う上で不可欠な概念となっています。
フラクタル構造とは簡単に言えば、「小さな部分を詳しく見ても、それが全体と同じパターンが見て取れる」という、自然界に広く存在する現象を指します。
![フラクタル構造の例](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/fractale-1.webp)
これは”自己相似”とも呼ばれ、FXトレードにおいては、大きな時間足で観察される特定の動きが、小さな時間足でも同様に発生するという事象において使われます。
チャートはジグザグで成立している
![チャートのジグザグ](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/fx-zigzag-1.webp)
FX市場だけでなく、株式や債券、商品先物など、幅広い金融商品のチャートは、連続して上昇と下降を繰り返す波形パターンによって構成されています。
これらの波形は、互いに重なり合いながら、複雑なジグザグ模様を形成します。
このジグザグ模様の形成には、トレーダーたちの心理、経済全体の動き、政治的な出来事など、多岐にわたる要素が関与しています。
このようにして形成される「ジグザグパターン」という値動きは、市場の根底に流れる本質的な動きを表しており、フラクタル構造理論の核心を成しています。
この理論は、市場の価格パターンがどのように形成されるか、そして、異なる時間枠で価格パターンがどのように相互に関連しているのかを理解するために、極めて重要です。
フラクタル構造の概念を深く理解することで、トレーダーは市場分析の精度を向上させ、より効果的なトレード戦略を立てる上で必要不可欠な知識を得ることができます。
フラクタル構造の成立
FX市場におけるフラクタル構造は、チャート内に現れる繰り返される特定のパターンを介して観察されます。
この現象は、異なる時間足におけるチャートパターンが、驚くほど類似した形状を繰り返し示す、という特性によって特徴づけられます。
![4時間足のダブルトップ](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/double-top1-1.webp)
ユーロドル(EURUSD)の4時間足チャートで、非常にきれいなダブルトップを確認することができます。
ネックラインを下にブレイクした後に、大きく下落をしています。
このダブルトップの右側のトップを15分足チャートを見てみると、以下のようになります。
![15分足チャートのダブルトップ](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/double-top2-1.webp)
ユーロドルは4時間足チャートでダブルトップを形成していたのに加え、15分足チャートでもダブルトップを形成しています。
これがフラクタル構造というものです。
ここまでチャートを分析すると「ダブルトップの中のダブルトップでエントリーをすれば下落をしてくる」というように考えることができますよね!
フラクタル構造やフィボナッチ比率など、自然界に存在する法則に基づいて形成されるパターンを分析に応用することによって、トレーダーは市場の挙動をより詳細に把握し、新しいトレード戦略をへの道が開けてきます!
![](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/FXblog_icatch07.webp)
FXのフラクタル構造のポイント
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では、具体的にこのフラクタル構造をFXトレードにどのように活用することができるのでしょうか。
ここからは、フラクタル構造を自身のトレード戦略に組み込む際に、特に注目すべき重要な2つのポイントについて、さらに詳しく解説していきます。
監視する時間足を決める
効果的なトレードを実行するためには、自分のトレードスタイルや日常の生活リズムに適した時間足を見極め、その時間足を継続的に監視することが極めて重要です。
例えば、短期間で多くの取引を行い、迅速に利益を得たいスキャルピングやデイトレードの場合、1分足や5分足のような短い時間足のチャートが理想的と言えます。
これにより、市場の小さな動きを捉え、速やかに行動することが可能になります。
反対に、長期的なマーケットのトレンドに基づいて取引を行い、数日、数週間、時にはそれ以上の期間にわたってポジションを維持し利益を追求するスイングトレードやポジショントレードの場合は、4時間足、日足、週足といった長い時間足が適しています。
これにより、市場の大きな流れを把握し、より大きな利益を目指すことができます。
つまり自分に適した時間足を特定し、それに焦点を当てることが、フラクタル構造を効率的に活用するための第一歩となります。
狙う波を決める
![チャートの狙う波](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/fx-chart-1-1024x590.webp)
フラクタル構造をトレード戦略に活用する際に最も重要なのは、市場のどの波に注目し、どの波を狙うかを明確に定めることです。
日足チャートや週足チャートの波を狙う場合は、1時間足チャートや4時間足チャートを見てエントリーのタイミングを定めますが、1時間足チャートや4時間足チャートの波を狙うなら1分足や5分足を監視しなければなりません。
これらのアプローチの選択は、トレーダーそれぞれのトレードスタイルや達成したい目標に基づいて異なります。
どのアプローチを選ぶかにかかわらず、自分自身のトレードスタイルや投資目標に最も適した戦略を選択することが重要です。
したがって、フラクタル構造を理解し、それを基に市場の波をどのように狙うかを決定することは、戦略性の高いトレードを実行するために不可欠だと筆者は考えております!
FXのフラクタル構造のメリット
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では、フラクタル構造をトレード戦略に組み込むことで、具体的にどのようなメリットやデメリットが生じるのでしょうか?
ここでは、まずフラクタル構造がもたらすメリットについて詳しくご紹介します。
エントリーのタイミングが厳選される
フラクタル構造を理解すると、トレードにおけるエントリーのタイミングをより正確に判断する事ができるようになります。
例えば、日足レベルの上昇3波を狙う場合は、1時間足チャートや4時間足チャートがトレンド転換をするのを待たなければなりません。
![ドル円の日足チャート](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/usdjpy-chart1-1-1024x590.webp)
ドル円の日足チャートを見た時に、右肩上がりの逆三尊というチャートパターンを確認することができます。
逆三尊とは底値圏で出現した場合、上昇に対する調整の下落の終了を示唆する買いのサインなるチャートパターンです。
この日足チャートの右肩上がりの逆三尊からのロングで完璧なエントリーをするには、4時間足チャート以下をフラクタル構造的に分析しなければなりません。
![ドル円の4時間足チャート](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/usdjpy-chart2-1-1024x618.webp)
日足チャートで確認された右肩上がりの逆三尊を4時間足チャートで見てみると、4時間足チャートでトレンド転換した後に右肩上がりの逆三尊を形成しています。
つまり「日足の右肩上がりの逆三尊」からのロングを狙うのに、「4時間足の右肩上がりの逆三尊」を合わせればリスクを抑えてエントリーをすることができますよね!
このようにフラクタル構造を理解し、エントリーポイントの厳選に活用することによって、正しいエントリーをすることができます。
「フラクタル構造について十分理解できたよ」という方は、筆者が最も得意なチャートパターンである三尊天井・逆三尊を徹底したこちらの記事を読んでみてください!
![](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/FXblog_icatch04.webp)
良いリスクリワードが狙える
フラクタル構造への理解を深めることで、各時間足のトレンド転換を意識できるようになります。
日足でトレンド転換が発生する際は、それ以下の全ての時間足においては既にトレンド転換が発生しています。
つまり「この時間足のトレンド転換が発生したら損切りをしなきゃ」というような考えができるようになるので、損切りの基準が自然と厳選され、リスクリワードが向上します。
一方で、市場が予測どおりに動く場合は、小さな波を利用したエントリーが大きなトレンドの波に乗るきっかけとなり、結果として利益を大幅に伸ばすことが可能です。
トレード戦略において「損小利大」の原則を実践することは広く推奨されていますが、フラクタル構造をうまく活用することで、それを実現することができるというわけです!
FXのフラクタル構造のデメリット
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そんなフラクタル構造には、もちろんデメリットも存在します。
これらのデメリットをしっかりと理解し、その上でフラクタル構造を活用することが、トレード戦略において非常に重要です。
理解するのに時間がかかる
フラクタル構造について学ぶ過程は、その複雑さから少し難しく感じられることがあり、それを完全に理解しマスターするまでには相応の時間が必要となります。
しかし、エントリーポイントが厳選されたり、リスクリワードが向上したりといったメリットを考えると、絶対にマスターするべきテクニカル分析だと言えます。
また、フラクタル構造の深い理解を目指す上で、チャート分析を定期的に行う習慣を身につけることが極めて重要になります。
従って、1時間以上はチャートを毎日観察するという習慣を身に着けましょう!
マルチタイムフレーム分析をしなければならない
フラクタル構造を理解し活用するためには、異なる時間足におけるチャート分析が不可欠です。
これは、長期足のトレンドを把握した上で、中期・短期のチャートを分析する必要があるため、特にFXトレード初心者にとっては、その難易度が高く感じられるかもしれません。
さらに、チャートが常にフラクタル構造を明瞭に示すわけではないため、チャート分析に時間を費やしたからと言って、必ず綺麗なエントリーポイントが見つかるわけではありません。
このように「何時間もチャートを監視して、エントリーのタイミングを測っていたけど、期待したトレードチャンスに恵まれなかった」という経験をすることも少なくありません。
難易度が高いマルチタイムフレーム分析をすれば、必ず勝てるようになるという保証はありませんが、根気強くマスターする必要があります。
FXのフラクタル構造を使ったトレード手法
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では実際にフラクタル構造を活用することによって、どのようなトレード手法が考えられるのでしょうか。
ここでは、具体的に狙うべきポイントに焦点を当てて解説していきます。
逆三尊の中の逆三尊
![逆三尊の中の逆三尊](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/head-and-shoulder-1-1024x462.webp)
逆三尊は、下降トレンドから上昇トレンドに反転する強力なサインとして広く認識されています。
そしてその逆三尊に、フラクタル構造を応用すると「逆三尊の中の逆三尊」を狙えば、ロングの優位性が非常に高いトレードをすることができます。
上の画像はユーロドルの4時間足チャートですが、大きいスケールで逆三尊を形成している上に、1つ下のスケールでも逆三尊を形成していることが確認できますよね。
逆三尊というチャートパターンは、上昇を示唆する最も強力なチャートパターンです。
「FXトレードの手法が全く定まらない」と悩んでいる方は、逆三尊の中の逆三尊のみを狙うのをおすすめします!
![](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/FXblog_icatch03-1.webp)
三尊天井の中の三尊天井
![三尊天井の中の三尊天井](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/head-and-shoulder-2-1024x458.webp)
一方で三尊天井は、上昇トレンドの終わりを示唆する典型的なチャートパターンとして知られています。
天井圏で左肩・中央・右肩を形成した後に大きく下落をします。
こちらのポンド円の三尊天井の場合は、一度三尊天井のだましを形成した後に下落をしていますが、下落前のチャートを分解してみると、しっかり三尊天井を形成していますよね。
三尊天井の中の三尊天井を狙ってエントリーをしていれば、この三尊天井のだましに引っかかることはなかったでしょう。
ロングが得意な方は「逆三尊の中の逆三尊」、ショートが得意な方は「三尊天井の中の三尊天井」にトレード手法を絞るのもおすすめですよ!
FXのフラクタル構造に関するまとめ
![](https://bitastandardscouncil.org/wp-content/uploads/2024/03/FXblog_mds_09-6-1024x538.webp)
この記事を通して、フラクタル構造についての理解が深まったのではないでしょうか。
フラクタル構造を理解し、FXトレードに応用することができれば、間違いなくあなたのトレード技術に大きなメリットをもたらします。
しかし、フラクタル構造の概念は一見すると複雑に思えるかもしれませんし、完全に理解する為にはある程度の時間と努力を要するでしょう。
また、マルチタイムフレーム分析をしないといけないという手間も掛かります。
ですが、これらの苦労を乗り越え、フラクタル構造をトレードに活かす方法を身につけることができれば、トレード技術はもちろん相場分析の質も大きく向上するはずです。
コメント
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[…] 筆者のトレードのノウハウを完全に理解したいという方は、この記事を最後まで読んでダウ理論をマスターした後に、こちらのFXのフラクタル構造に関する記事を読んでみてください! […]
[…] ここから日足チャートの規模感で下落3波を形成してくる場合は、画像のように短期足から順にトレンド転換します。長期足の中の短期足を読み解くフラクタル構造というものです。 […]
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